糖尿病性腎症
腎臓の機能が失われることがあります。失われた腎機能は、回復することはありません。腎機能を失うと、多くの場合、その方が亡くなるまで血液透析が必要になります。
以下は架空の透析患者さんの心の声ですが、だいたい実情に沿っていると思います。
「今日は、血液透析の日。朝起きたら準備して、病院に出かける。病院に着いたら、透析室のベッドに横になり、透析開始だ。あらかじめ手術でつくっておいた腕のシャント血管に、看護師さんが太い注射針を2本刺す。1本目から血液を引出し、機械にかけて血液をきれいにして、2本目の針から体に戻す。風呂桶の水と違い、血液をいっぺんに全部だすなんてことはできない。そんなことをしたら死んでしまう。だからゆっくり血液をだして、ゆっくりもどすしかない。それで、一回の透析に3-4時間かかってしまう。
午前中の透析が終わり帰宅した。もう昼過ぎだが、くたくたに疲れてしまい動けない。医者は、水を飲みすぎると透析を厳しくしないといけないのだという。でないと心臓に負担がかかってしまうらしい。今回水を飲みすぎたので透析を強めにやったようだ。強めに透析すると、あとの疲れがひどい。翌朝になれば、疲れも取れるだろう。
そして、そんな治療を週に3回受けにいく。それが死ぬまで続く。透析はやめたいが、止めたら苦しくなってしまうので、やめることができない。仕方ないので、また透析を受けに病院に行く。
仕事は辞めた。貯金も減ってきた。妻の収入だけが頼りだ。妻は仕事に家事にと頑張ってくれているが、最近少しやせたようだ。俺も洗濯物をたたむくらいは手伝っている。夫婦の間で出るのは、ため息ばかり。会話が減った。妻の笑顔が減った。」